生産者紹介

山下晴生です。

はじめまして。私は昭和40年2月13日紳士服の生地をつくる母の実家、愛知県尾西市（現一宮市）で生まれ、水産加工工場で働く父の故郷、愛知県南知多町で中学卒業。
その後父が起業し、愛知県半田市で人生の多くをすごしました。
私が17歳のとき、NHK特集「日本の条件」を見て、世界の農業の先行きの暗さを知り、海外青年協力隊への道を目指しました。
しかし、3年生の夏、椎間板ヘルニアを患い断念。日本で農業を・・・と思いましたが、その当時は、農地をもたない人が農業をするにはとてつもなく高い壁があり、事実上不可能でした。
しかたなく一般企業に就職。20年余り、農業とは無縁の世界を歩きました。

しかし、リーマンショックで職を失い、新たな職についたとたん、東日本大震災。
さきほどまで普通の暮らしをしていた人々が一瞬にして命を奪われていく現実を見た時、「今の自分は悔いを残さないように生きているのか・・・」と、心を大きく揺さぶられました。
僕の人生はこれでいいの？・・・自分に問いかけた時、すぐに思い浮かんだのは農業への夢。
思い立ったらもう行動していました。長野、静岡、三重、岐阜・・・あちこち探しまわりました。
ある時、醸造業を営む同級生が、私が農家を探していることを知り「京都でおいしい黒豆がとれるけど手に入らない。京都で黒豆つくってよ。」と・・・黒豆といえば兵庫の丹波と思っていましたが京都にも丹波地方があることを知り、縁あって福知山市　小牧の集落に居住が決まり、2012年4月移住してきました。

合鴨ちゃん達

私は「自然・天然の食べ物から命をいただく」という思いを持つ母の影響を受け、小さいころから食の安全を意識しながら育ちました。
遠足の特など、持っていくおやつが選べない時もありました。
そんな私が農業をはじめるにあたり、目指すのは自然農法です。
ただ、勉強不足で、完璧・究極な人間ではないので、厳しく自然農法を追求されている方から見れば笑止千万、稚拙に見えるでしょう。

でも、ただ一つ、私が信念として持っていること。
ここには永年、先祖の方たちが残してくれた自然があります。
田には、カエル、イモリ、タニシ・・・小川には小魚、エビ、ホタルの幼虫・・・そしてそれをついばむ小鳥たち・・・この何にも変えられない、また、人間がつくり出すことができない大切な自然をこの状態のまま、いや、それ以上の状態にして残していく。
それが私の使命と考えます。
その信念をわすれないで行動していけば、おのずと安心で安全な、私たちが生きていくための大切な糧を天地から授かることができると信じています。